都電荒川線東京さくらトラムの荒川車庫にぶらっと立ち寄ってみた

観光地とは言えないかもしれないけど、行ってみると面白い場所なので少し深掘りし綴ってみます。
今回は、都電荒川線の車庫である東京都交通局 荒川電車営業所。通称「荒川車庫」にぶらっと立ち寄ってみました。
 

都電荒川線は東京都荒川区南千住の三ノ輪橋停留所から新宿区西早稲田の早稲田停留所まで12.2kmを30停留所で結ぶ、東京都が経営する路面電車です。今年の2017年4月28日に東京さくらトラムと愛称が決まり、駅ナンバリング(鉄道駅に対し通常の駅名とは別に英字とアラビア数字等からなる駅番号を付ける制度)の路線記号が「SA」となった都電荒川線。もともとは王子電気軌道株式会社が運営する通称「王電」と呼ばれる私営の郊外電車でした。
 

1911年(明治44年)8月20日、豊島区南大塚の大塚と北区王子の飛鳥山間の2.45キロの「大塚線」の開業ではじまリます。1913年(大正2年)4月、現在の王子駅前駅である飛鳥山下と三ノ輪間が開通。関東大震災後、沿線の発展にともない路線の延長が進み1925年(大正14年)から1930年(昭和5年)に渡って工事が行われ、飛鳥山下を中心に早稲田、三ノ輪と赤羽を結ぶ路線が完成。以後、1942年(昭和17年)の「陸上交通事業調整法」によって東京市(当時)へ譲渡されるまで、沿線住民から「王電」の名で2つの路線として親しまれていました。

飛鳥山駅を出て、明治通りの一般道を下る東京さくらトラム。

専用軌道から一般道に出て熊野前停留場に向かう東京さくらトラム。

1974年(昭和49年)までは27系統、32系統と2つの路線で運行されていた東京さくらトラム。

過去には、交通渋滞解消政策、赤字公共事業整理政策の推進による撤去計画があったり、都電沿線の事業所や教育機関の郊外移転に伴う交通総量の低下や、地下鉄・バスなどによる交通ニーズの分散による乗客数の漸減などで廃止になる動きもありました。

1992年(平成4年)に新型車両として導入された8500形式の二次車8502号。
登場当初は全車両を本形式に置き換える計画もあったようだが、財政難などの理由から五次車の5両で製造が打ち切られた。

 

ですが、現在では、地域の身近な足として親しまれ、歴史・文化に触れる事ができる名所旧跡。生活感あふれる昔ながらの商店街など多様で魅力あるスポットが満載な、地域に愛され続ける唯一の都電として東京さくらトラムの愛称で都電や沿線の魅力を国内外に広くアピールしています。

[左]2009年(平成21年)に新型車両として導入された8800形式の一次車8801号。ローズレッドのカラーリングは、荒川線沿線に植栽したバラ(1985年(昭和60年)より荒川区とボランティアが沿線に約140種13,000株のバラの植栽を実施)をイメージしている。
[右]2016年(平成28年)に新型車両として導入されたイエローラインの最新型8900形式の七次車8907号。基本性能は8800形式と同じだが、現場の意見が設計に反映され改良されている。

 

都電荒川線東京さくらトラムは、7700、8500、9000、8800、8900形式の5種類の33両で運行されていると思われます…
東京都交通局のHPでは在籍車両36両となっていますが、記載されている7000形の3両は2017年6月11日に7022号が最後の営業を行い、この日に「ありがとう7000形イベント」も行っていたので、、、通常営業は33両で行っているのではないかと。

廃止になった7000形式をリノベーションし復活した7700形式の一次車7701号。車体や冷暖房装置・放送装置などは再利用。最新型8900形式と同一の台車とVVVF制御装置を搭載しエネルギー効率の向上と乗り心地を改善させ2016年5月30日より営業運転している。

 

そんな都電荒川線東京さくらトラムの車両基地、東京都交通局 荒川電車営業所「荒川車庫」にぶらっと立ち寄ったのでご紹介します。ぜひ、みなさんもぶらっと足を運んでみてはいかがでしょうか?
(写真撮影は、車両基地エリア外からokな方法で行っています。)
 
 


東京都交通局 荒川電車営業所

1913年(大正2年)4月の現在の王子駅前駅である飛鳥山下と三ノ輪間の開業に伴い開設されたと言われています。
ここで、都電荒川線東京さくらトラムの運行管理・営業、乗務員基地、車両車庫・保守などが行われています。

 

営業所の裏手にはトラバーサー(遷車台)を使用し、車両を水平方向に平行移動させ限られたスペースに効率良く車庫に収容できるようになっていました。

 

1列に4車両を並べる事ができそう。
2番の列には、1978年(昭和53年)に廃車になり一旦都内の個人宅に静態保存され、2008年(平成20年)6月に荒川電車営業所に里帰りした6000形式の6086号が保管され、その後ろに2011年に7500形式の7510号を改造し運行した花100形が保管され、その後ろに2017年6月11日の7000形式の最終営業車両となった7022号の車両が、3両連なって保管されていました。
 

通常営業を終えた車両は荒川電車営業所の中に入ると、作業所にて屋根の上からパンタグラフなどのチェック、床下に潜って台車などのチェック作業を手際良く行っていました。

 

荒川電車営業所内には「都電おもいで広場」というスペースがあり、5500形式の5501号と旧7500形の7504号が展示されています。
私が訪れた時には、学生カメラマン(と思われる方)と80年代のカッコをした女性(学生と思われる)が写真撮影を行っていました。

 
 

ご紹介した場所

『東京都交通局 荒川電車営業所』
住所:東京都荒川区西尾久8丁目33−33−7

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千賀祐輔 / Yusuke Senga
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1981年10月9日生まれの埼玉県桶川市出身。都内で働くサラリーマン。『こんな私でも、ほんの少しの価値ある情報を社会に発信できれば…』と思い、気ままにこのページを更新している。